2014/03/24

桜色


善通寺に。
 
涅槃桜に心を奪われた。帰宅後、しばらくしてからふと、こんなことを思った。

自分なんてちっぽけで、頭が悪くて、不器用で、平凡で、なんの取り柄もなくて、なんの役にも立たなくて、地球は私なんて関係なく回っていて、私がいてもいなくても、世の中にはなにも関係がないし、生きている価値なんてない。そんなふうに後ろ向きな人ほど、きっと、桜色のエネルギーを持っているのだろうなと、直感した。

他人の目を気にするよりも、自分の目を気にする方が、ほんとうは難しい。
 
後ろ向きに考えられるということは、裏を返せば、内なる目の存在証明。他人よりも、自分の評価を気にする目(芽)を持ち、浅い感傷心や、自己嫌悪、焦燥感を乗り越えて、自分を克服さえすれば、その枝からは、桜色が染まるんだろうな。

涅槃桜は、大師堂の裏で、人目を避けるように早咲きしていた。
 



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