夜のジョギングのときに、見ていられないポイ捨てゴミは、拾って持 って帰る。犬が拾い食いする可能性もあるから。
正直、なんでオレがと思う。捨てたやつが拾えと思う。
だけど、しばらくして、夜更けた暗黒のときに、しんみり
住ませてもらっているし、描かせてもらっている。
そうい う恩義を、風景に対して感じている。だから、なんでオレが、と いうささぐれだった感情は、自然に、ゆっくりと違う形の 、おだやかなものに変容する。そのゆるやかな内なる曲線 こそが、土地の霊力であり、神の音ずれなのだと思う。
『内外の風気わずかに発すれば、必ず響くを名づけて声と いうなり』 空海
『内外の風気わずかに発すれば、必ず響くを名づけて声と
『恩寵とは、下降運動の法則である。自分を低くすることは、精神的な重力に反して上っていくことだ。精神的な重力は、わたしたちを高みへとおとす』 Simone Weil
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