流木と追憶の森のシンクロに気づいてはっとした。気の遠くなるような時間の海を越えて、この砂浜に辿り着いた流木は、研ぎ澄まされた森の記憶。追い求めていた森の記憶は、神秘的な力で大海を渡ってきた。
帰ろうとしたら、出口を塞ぐように一匹の野良猫が。かまっていたらどんどん増えて、五匹の猫に。猫の出現は魔法のように、この世界に介在する神秘的な力を暗示している。
海に行く予定ではなかった。
用事で近くを通ったときに、強い力に引き寄せられてしまった。ほとんど無意識に、目的もなく、自分の意志でもなく海岸に辿り着くのは、流木か狂人だけだろう。
なにも期待せずに、なにも求めずに、ただ内なる声に応えて動いていると、やがて無意識は理由を求めて、なにもないところから、なにかを生みはじめる。これが創造の種だと思う。種は自分の中にある。
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