2013/04/14

胡蝶花(シャガ)

あたたかかくなってくると、誘うようにたくさんの胡蝶花(シャガ)が迎えてくれる。森では一番身近な大切な白い花。いつも薪を作りにいく場所は急斜面なので、横から見ると写真のようになる。花は地面に対して垂直なのに対して、杉は地球に対して垂直。花は身軽なので重力を感じずにすむのだろう。とにかく太陽の陽射しを浴びたいわけだから、斜面は逆に好都合とも言える。シンプルで身軽な胡蝶花にとって、重力の都にすむ住人はななめに傾いて見える。どちらも素直だけど、世界の感じ方に違いがあるのだろう。
 
人間が地に足をつけた生き方を考えるとき、草花や生物は、さまざまな見え方の違いを教えてくれる。森は宇宙の広がりを教えてくれるし、石は時間を教えてくれるし、風はタイミングを教えてくれるし、水は死者の声を伝えてくれるし、炎は獣性を教えてくれる。教えられたことを、活かせるかどうかが未来に問われている。
 
 
 
 
 

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