立花隆の「宇宙からの帰還」という本を読んだ。
宇宙飛行士たちのそれぞれの体験談が、とても興味深かった。月の上に下りた飛行士の一人は、直接的な実感として、すぐそばに神の存在を感じていたらしい。自分と神との距離がまったくない、即ち啓示としての神の導きを受けていたという。
地球にいても、すぐそばに神を感じることはある。森の中を歩いたり、大樹に近づくと、なにかに触れる。もしそのなにかを神と言うなら、自分と神の間には、距離がない。森の中や大樹に神が宿っているとも言えるけど、実感としては内的な経験なので、それは出会いであり、距離というのはほとんど感じない。
夜のジョギングコースで、月の灯りさえ届かない暗闇がある。自分の身体さえ見えない暗闇にいて、襲ってくる不安を越えると、自分も暗闇の一部になったような気持ちになって、意識が超越する。宇宙空間のように無音ではないけれど、残された心は、空間や距離を越えた永遠の広がりを実感している。
「宇宙空間に出れば、虚無は真の暗闇として、存在は光として即物的に認識できる。存在と無、生命と死、無限と有限、宇宙の秩序と調和といった抽象観念が抽象的にではなくて、即物的に感覚的に理解できる」エド・ミッチェル(宇宙飛行士)
宇宙飛行士のインタビューを読んでいて、空(くう)のことを話しているなあと思っていた。この人たちは宇宙船や宇宙服ごしに、空(くう)を実感したんだなあと思った。
僕は月に行きたいと思ったことはないし、人間が住めるのは地球だけだと思ってる。野原を歩いているだけでも、宇宙を理解することはできると思う。
数日前、人目を避けた早朝に、イチョウの大樹をスケッチに行った。大樹の根は禍々しくて、ここには鬼がいるなあと思った。スケッチした後、その場所を離れて大樹の全景を見たら、その鬼を可愛らしい形をした無数の葉が、皮膚のように包んでいて、大きなモノノケのように見えた。
ふと思った。なぜあんなに鬼を見つめていたのに、自分には鬼(魔)が入らなかったのだろうかと。禍々しくて不気味なモノを見つめていても、逆にこちらはスッキリしている。たぶん大樹は、この世界に満ちている鬼(魔)を、吸い取ってくれているんだなと思った。それが実感としての、畏怖だろうと直感した。
それから宇宙飛行士の本を読んで、ああそうかと納得した。地球は意識の国で、ひとつの生命体としての神々を、森羅万象に秘めている。言い換えると、宇宙飛行士が即物的に感じた神は、具体的にそばにいる。色即是空、だから大樹は、疑問を与えて、沈黙で答える。
最近は、ある町に定期的に通っている。はじめて訪れる土地にも、神がかった場所がある。創造的孤独を抱えていると、距離は関係なく、そういう場所に繋がる。その繋がりは内的なものだけど、無限な広がりがある。暗黒に耳をすませば、宇宙飛行士と同じような経験をすることができる。
宇宙飛行士たちのそれぞれの体験談が、とても興味深かった。月の上に下りた飛行士の一人は、直接的な実感として、すぐそばに神の存在を感じていたらしい。自分と神との距離がまったくない、即ち啓示としての神の導きを受けていたという。
地球にいても、すぐそばに神を感じることはある。森の中を歩いたり、大樹に近づくと、なにかに触れる。もしそのなにかを神と言うなら、自分と神の間には、距離がない。森の中や大樹に神が宿っているとも言えるけど、実感としては内的な経験なので、それは出会いであり、距離というのはほとんど感じない。
夜のジョギングコースで、月の灯りさえ届かない暗闇がある。自分の身体さえ見えない暗闇にいて、襲ってくる不安を越えると、自分も暗闇の一部になったような気持ちになって、意識が超越する。宇宙空間のように無音ではないけれど、残された心は、空間や距離を越えた永遠の広がりを実感している。
「宇宙空間に出れば、虚無は真の暗闇として、存在は光として即物的に認識できる。存在と無、生命と死、無限と有限、宇宙の秩序と調和といった抽象観念が抽象的にではなくて、即物的に感覚的に理解できる」エド・ミッチェル(宇宙飛行士)
宇宙飛行士のインタビューを読んでいて、空(くう)のことを話しているなあと思っていた。この人たちは宇宙船や宇宙服ごしに、空(くう)を実感したんだなあと思った。
僕は月に行きたいと思ったことはないし、人間が住めるのは地球だけだと思ってる。野原を歩いているだけでも、宇宙を理解することはできると思う。
数日前、人目を避けた早朝に、イチョウの大樹をスケッチに行った。大樹の根は禍々しくて、ここには鬼がいるなあと思った。スケッチした後、その場所を離れて大樹の全景を見たら、その鬼を可愛らしい形をした無数の葉が、皮膚のように包んでいて、大きなモノノケのように見えた。
ふと思った。なぜあんなに鬼を見つめていたのに、自分には鬼(魔)が入らなかったのだろうかと。禍々しくて不気味なモノを見つめていても、逆にこちらはスッキリしている。たぶん大樹は、この世界に満ちている鬼(魔)を、吸い取ってくれているんだなと思った。それが実感としての、畏怖だろうと直感した。
それから宇宙飛行士の本を読んで、ああそうかと納得した。地球は意識の国で、ひとつの生命体としての神々を、森羅万象に秘めている。言い換えると、宇宙飛行士が即物的に感じた神は、具体的にそばにいる。色即是空、だから大樹は、疑問を与えて、沈黙で答える。
最近は、ある町に定期的に通っている。はじめて訪れる土地にも、神がかった場所がある。創造的孤独を抱えていると、距離は関係なく、そういう場所に繋がる。その繋がりは内的なものだけど、無限な広がりがある。暗黒に耳をすませば、宇宙飛行士と同じような経験をすることができる。
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