夢を見た。どこか遠い異国の密林、大きな虎が上にいて、動けない。虎の顔が近づいてきて、ああ、食べられるのだなあとすっかり諦めて、抵抗せずに、静かに目を閉じたら、夢から覚めた。雨雲が朝の光を隠していた。
台風が近づくと空が赤く染まるように、低気圧が近づくと不思議な夢を見る。どこかで見たことがあるイメージだった。法隆寺で見た、玉虫厨子の捨身飼虎図を思い出した。
寝る前にブッダの本を読んでいたから、間接的に記憶が呼ばれたのだと思う。夢であれ、ジャータカ(釈迦の前世)の物語に触れたのは、光栄だと思う。ああ、ここで人生が終わるのだなあと、後悔も未練もなく諦めて、目を閉じた瞬間、意識がスッと背中から首すじの辺りにかけて、上に抜けたときの、あの人生をリセットしたような不思議な感じが、いつまでも残っていた。
夢は目を閉じてから見るのだから、目を閉じて夢から覚めるという経験は、いかにも奇妙だ。目を開けていても、ほんとうはなにも見ていないことがある。網にとらえられない風のように、風景は流れて、水に汚されない蓮のように、永遠に咲く花がある。犀の角のように、ただ独り歩め。
台風が近づくと空が赤く染まるように、低気圧が近づくと不思議な夢を見る。どこかで見たことがあるイメージだった。法隆寺で見た、玉虫厨子の捨身飼虎図を思い出した。
寝る前にブッダの本を読んでいたから、間接的に記憶が呼ばれたのだと思う。夢であれ、ジャータカ(釈迦の前世)の物語に触れたのは、光栄だと思う。ああ、ここで人生が終わるのだなあと、後悔も未練もなく諦めて、目を閉じた瞬間、意識がスッと背中から首すじの辺りにかけて、上に抜けたときの、あの人生をリセットしたような不思議な感じが、いつまでも残っていた。
夢は目を閉じてから見るのだから、目を閉じて夢から覚めるという経験は、いかにも奇妙だ。目を開けていても、ほんとうはなにも見ていないことがある。網にとらえられない風のように、風景は流れて、水に汚されない蓮のように、永遠に咲く花がある。犀の角のように、ただ独り歩め。
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