樹齢千年の大楠へ。場所は頭に入っていたけど、ずいぶん迷ってしまった。
想像以上の霊性だった。誰もいない孤高の風景を、脳裏に描いていたけど、子どもたちが遊んでいた。老女が根を周りながら、なにやら念仏を唱えていた。こんにちはと声をかけてから、すこし離れてスケッチをしていたら、足音もなく、老女が近づいてきた。
すれ違っただけなのに、白蛇のような、絡みつく視線を感じた。この大樹の、守人だろうと思う。老女が去ると、変身したように、赤子を抱いた女性が現れた。生と死を抱いたような、安らかで不思議な時間だった。
想像以上の霊性だった。誰もいない孤高の風景を、脳裏に描いていたけど、子どもたちが遊んでいた。老女が根を周りながら、なにやら念仏を唱えていた。こんにちはと声をかけてから、すこし離れてスケッチをしていたら、足音もなく、老女が近づいてきた。
すれ違っただけなのに、白蛇のような、絡みつく視線を感じた。この大樹の、守人だろうと思う。老女が去ると、変身したように、赤子を抱いた女性が現れた。生と死を抱いたような、安らかで不思議な時間だった。
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