2017/04/29

宇宙の書

「すべての見えるものは見えないものに、聴こえるものは聴こえないものに、感じられるものは感じられないものに付着している。おそらく考えられるものは考えられないものに付着していよう」ノヴァーリス

薪割りをしていると、ツルっと表皮がむけることがある。その皮に虫食いの模様があると、手紙を受けとったような嬉しい気持ちになる。その模様に、意味なんてないのかもしれない。でもなにか本質が隠れているような、宇宙の暗号を見つけたようなときめきがある。

なんの意味もないような自然の模様に、隠された深淵がある。芸術にコミットした人なら、わかると思う。突き詰めると芸術家は、ここを目指していて、自然と人間の間で、揺らめいている。草木が見ていた夢の欠けらを、ほんとうはひとつなのに、離れてしまったものを、拾い集めるように。


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